大規模エンタープライズの全員参加が可能な内部開発者ポータルの野望
Blueprints(プラットフォームの構想や全体像)
プラットフォームエンジニア - Platform Engineer
ITアーキテクト - Architect
CTO/技術部門の役員 - CTO
開始期(何かしらの形でプラットフォームエンジニアリングを実践している) - Introduction
Abstract
本セッションでは、大規模エンタープライズにおいて多数のソフトウェア資産の情報を集約し、またインナーソース活動の推進基盤ともなる内部開発者ポータル (Internal Developer Portal, IDP) について探求します。 多くのエンタープライズでは、その規模と歴史的経緯からGitHubやAzure DevOpsなどの開発者プラットフォームをひとつに統一することが難しく、組織内で乱立する開発者プラットフォームがそれぞれホストするプロジェクトや成果物などによりソフトウェア資産が分断された状態になっています。この課題を解決または緩和する手段として、ソフトウェアカタログの機能を備えたIDPを導入することが考えられます。 IDPを導入することで、エンタープライズは散在するソフトウェア資産の情報を集約した新たなビューを従業員に提供できるようになり、これがインナーソースの推進にも大きく役立つ可能性があります。しかしながら、多くの従業員に使ってもらえる成功したIDPを実現するには、その構築や運用において多くの考慮すべきポイントがあります。 具体的な事例として、バンダイナムコグループのプラットフォームエンジニアリングプロジェクトから、オープンソースのIDP構築フレームワークであるBackstageを大規模エンタープライズにインテグレーションする取り組みを紹介します。これにはエンタープライズの全従業員・プロジェクトをカバーするユニバーサルなユーザー・グループカタログを様々なID基盤から構築すること、エンタープライズで要求される水準のアクセス制御を備えるRBAC機能を備えるプラグインを開発すること、また個々のプロジェクトに対してカスタマイズされたBackstageをSaaSとして提供することなどが含まれます。このようなエンタープライズの全従業員・プロジェクトを巻き込めるIDP基盤を共通プラットフォームとして整備・保守することで目指すゴールについてもお話します。
八重樫 剛史
Linux・Unix・OSS・Go言語と比較的低レイヤな技術が好きなエンジニア。かつて組み込みシステム開発やゲームサーバ開発に従事し、現在は社内IT環境の改善や様々な製品開発プロジェクトのクラウド移行の支援などをしています。